ばあちゃんの記憶。

皆さま、こんにちは。
ホテルホットイン石巻スタッフMaiです!

今日は祖母について書こうと思います。

何度か私のブログに登場している祖母ですが、小柄で可愛らしく、大体のことは生きていれば何とかなると思っている『おおらか』といいますか『大雑把』な人です。

若い頃にバイクで事故にあい生死の境をさまよったことがあり、後遺症で背中は曲がり、左目も上手く動きませんがそんなこと全然気にせず畑仕事もこなすスーパーおばあちゃんです。

そんな私のスーパーおばあちゃんも小さい時は大変なことがたくさんありました。


祖母は戦時中に北海道から宮城へ疎開してきました。
しかし疎開するための船に小さい子どもを連れて長時間乗るのは大変だからと、一番末っ子で当時まだ3歳だった祖母は一人北海道へ置いて行かれる予定だったそうです。それを無理して連れてきたのが祖母のお兄さんでした。

小さい子どもは船の中で我慢ができないから他の人の迷惑になる、疎開先でも手がかかるからといわれても「俺が連れて行くし、面倒をみる。」とお兄さんは言い張り、祖母を抱っこして他の兄弟たちを連れて船に乗り込みました。
祖母はこの時の『お兄さんの上着のなかに抱っこされて船に乗ったこと』だけはうっすら覚えているそうです。
大人になって祖母のすぐ上のお姉さんにこの疎開の話しを聞いたとき、お兄さんにとても感謝したといっていました。

そして祖母は私たちに「ばあちゃんのお兄さんの話」としてこのときの出来事を小さい頃から繰り返し話してくれます。
「ばあちゃんには戦争で亡くなったお兄さんがいる。」「小さい頃可愛がってもらっていた。」「そのお兄さんのおかげで今ここにいる。」「感謝してもしきれない。」「貧乏して育っても家族と一緒にいれてよかった。」「戦争で亡くなったときは本当に悲しかった。」と。

祖母の実家の仏壇には、戦争へ行く前に撮影されたお兄さんの写真がたった1枚あります。
刀を持ち、帽子をかぶり、軍服を着た兵隊さんの恰好です。
祖母の実家に行くとその写真の前で、いつも一言だけ「お兄さん・・・。」と祖母はつぶやきます。
心のなかではたくさんお話ししているんでしょうね。