本を読む
皆さま、こんにちは。
ホテルホットイン石巻スタッフMaiです。
2022年9月16日に映画が公開される東野圭吾のガリレオシリーズ最新作『沈黙のパレード』
主人公は天才物理学者の「湯川学」
物語は民家から2つの焼死体が発見されるところから始まります。
遺体はこの家に住む家主の女性と、3年前から行方不明になっていた少女のもの。
容疑者として浮上したのが、火災のあった家の家主の息子。ところがこの息子が、今度は遺体となって発見されます。
行方不明だった少女の遺体と、容疑者の息子の遺体・・・この2つの事件の真相は?そして真犯人はいったい誰なのか?
『沈黙のパレード』というタイトルが示すように、登場人物それぞれが秘密を抱え、誰かを守るために口を閉ざしています。
この本は何度となく繰り返し読んでいます。
この本だけに限りませんが、私は同じ作品を何度も読むことが好きです。
友達に『小説って一回読んだら内容わかるじゃん。推理小説とかは犯人分かるし、何回も読まなくていいんじゃないの?』と言われたことがあります。
確かに真犯人も分かるし、犯行の動機も殺害のトリックもわかっている。ハッピーエンドなのか、そのままモヤモヤして終わるのかもわかっています。
それでも読むたびに、登場人物の気持ちを考えて心が痛くなって泣いたり、一緒に笑ったりできるのが小説のいいところ。
何度読んでも、その時読んで感じる気持ちはまったくの別物だと思っています。
その人を想って怒ったり、悲しんだり、楽しかったり、笑ったり。まるでもう一人の自分が物語のなかにいるようです。
"仮説の行方を決めるのは読者であり、作者ではない。 物語とは風なのだ。揺らされるものがあって、初めて風は目に見えるものになる。"
村上春樹 エッセイ『雑文集』より
物語はいつも私の心に風を運んできます。